つらい冷え性を改善する7つの方法~女性の身体に冷えは大敵!

女性の2人に1人が悩まされていると言われている冷え性。
その冷え性が原因で、様々な身体の不調に繋がるということをご存じでしたか?
夏場のエアコンと冬場の気温による寒さから、体温調節が上手く出来ずに身体の芯まで冷えてしまう女性がとても多いです。
その冷えを身体の冷えを衣服で調整、もしくは温かい物を取るなどの、その場しのぎの方法では根本的な改善にはならないのです。
それらの対処療法でしのいでいたとしても、冷え性を放っておくと病気に繋がる可能性も無視できません。
女性として健康な身体で暮らすために、冷え性の原因と改善方法についてご紹介します。
冷え性が起こる3つの理由とは?
身体が冷える原因は主に以下の3つが挙げられます。
『①身体が熱を作りにくい、②体内で作られた熱を全身に配れない、③身体を冷やす生活習慣』
生活習慣などの様々な要因により、身体に備わっているはずの身体を温める機能が低下しているためなのです。
では冷え性が起きる3つの理由を、詳しく解説していきます。
①身体が熱を作りにくくなる理由
体内で熱が作られる仕組みは、主に以下ような順序になります。
- 食べ物を食べること、筋肉の働き
- 食べ物の消化・分解と、筋肉の運動・基礎代謝
- 熱エネルギーが発生する
寒い日に食事を取ると身体がポカポカしてくる、そんな体験をしたことはありませんか?。
それは単純に温かい物を食べたからだけでなく、食べ物を消化、分解する時に体内で熱エネルギーが発生するためだったのですね。
すなわちダイエットなどで食事制限をしている場合、熱エネルギーを作り出すための絶対的な食事量を満たしていないことも冷え性の原因の一つです。
そして食事に関しては、身体を冷やす食べ物と温める食べ物が存在します。
それを知らずに身体を冷やす物ばかりを食べてしまうなどの、間違った食事の取り方も冷え性を引き起こします。
そしてもう一つの大切な要素が筋肉です。
女性は男性よりも筋肉量が少なく冷え性になりやすいと言われています。
身体を動かすと汗をかいて身体が暑くなるのは、筋肉を動かすことで熱エネルギーが発生しているから。
すなわち筋肉が少ないと熱を作れる量が少なくなるので、身体が冷えやすくなるのです。
②体内の熱を配れない理由
体内の熱を配れないという理由は、冷暖房による室内と屋外の寒暖差が大きいことで自律神経が乱れてしまったことが挙げられます。
本来の日本人の身体は四季があることで、7度程度の寒暖差を自律神経だけで調節できるようになっています。
ですが冷暖房が当たり前になったことで、その自律神経が上手く働かなってしまったのです。
- エアコンで寒さを感じると血管が縮み、交感神経が優位になる
- 外の暑さとの温度差が激しいと、交感神経が優位な状態が続く
- 血管が縮んだままで血行が悪くなり、身体が冷えてしまう
このように室内と屋外の温度差が激しいことで、本来なら暖かいと優位になるはずの副交感神経に切り替わる働きが機能しなくなるのです。
③冷え性を引き起こす生活習慣
生活習慣による冷え性になる要因は、寒い環境と血流が悪くなることによるものです。
- 夏場はエアコンが効きすぎる部屋にいることが多い
- 薄着やお腹を露出する服装や、締め付ける下着
- 日頃からストレスを感じている
- 身体を冷やす飲み物、食べ物の取り過ぎ
かつての女性達は「おへそから下を冷えさせてはいけない」という冷え性への意識を当然のように持っていました。
ですがへそ出しなどのファッションの流行から、昔よりも冷えに対する意識と知識も乏しくなったことも原因として考えられます。
ですが身体が冷えるのは環境だけでなく、ストレスと食事面も大きく関係しているのです。
日常的にストレスにさらされ続けていると、交感神経が優位の状態が続き、血管が縮んで血流が悪くになり、冷えを起こす一因になります。
そしてもう一つの食事面で言えば、水の取り過ぎです。
近年は水の取り過ぎによる健康被害も知られるようになりましたが、水を取り過ぎても冷え性の原因になるのです。
わかりやすく言えば、身体が水に濡れたら冷えて風邪を引くのと同じように、水を取り過ぎると体内が冷えてしまうのです。
運動をたくさんしていれば問題ないのですが、運動をほとんどしない女性が水を取り過ぎると水が体内に溜まってむくみ・水太りの原因に。
ダイエット中の女性には必須アイテムと言える水ですが、取り過ぎだけには十分に注意しましょう。
冷え性が原因で起こる不調とは?
身体が冷えることによって血の巡りが悪くなると、様々な体調不良を引き起こす原因になります。
血液は体内の熱を運んで体温を調節する働きと、臓器に酸素や栄養を運ぶ働き、二酸化炭素や老廃物を排出する、といった大切な役割を担っています。
その血液が体内を上手く巡ることが出来ないとなると、身体に不調が起きるのは当然と言えますよね。
では冷え性が原因によって起きる、主な症状をご紹介します。
免疫力・代謝の低下
身体が冷えることによって、血液の大切な役割がすべて発揮されなくなることで、免疫力と代謝が低下してしまいます。
- 免疫力が低下するので、風邪を引きやすくなる
- 内臓の働きが悪くなるので、栄養の吸収が悪くなる
- 代謝が落ちることで、肥満になりやすくなる
血の巡りが悪くなることで身体が持つ機能が低下することで、これらの症状が出るリスクがとても高くなります。
卵巣機能の低下
女性の身体にとって大切な役割を担っているのが女性ホルモン。
生理周期が乱れる生理不順や、重い生理痛は、冷えからくる卵巣機能の低下が大きな要因のひとつです。
そして平熱が35度台の女性も増えていますが、この低体温は卵巣へのダメージを与えやすくなってしまうのです。
基礎体温を計測・記録して高温期と低温期がはっきり二相に分かれてなく、低温期が長かったり体温がバラバラの場合は、卵巣機能の低下が起きているサインです。
そして生理不順はひどくなると自力で排卵ができなくなり、妊娠しにくい身体になる可能性があるので放っておくのは絶対に厳禁です。
そして毎月生理はくるものの、生理前になると冷え性の症状が出てくるという方もいます。
そして意外かもしれませんが、生理前の2~10日前になると冷え性が起こるのはPMS(月経前症候群)の症状の一つでもあるのです。
もしも生理前に冷え性以外の身体や心の状態に変化が出るようなら、冷え性と共にPMSの対策もするようにしましょう。
そして生理前のイライラ、だるさ、不眠などの症状がかなり重く、日常生活に支障がでる場合は、PMDD(月経前不快気分障害)の可能性も考えられます。
便秘、下痢
夏場は冷たい物や夏バテで食欲が落ちることで、体内から熱を生み出すための食事を思うように取れなくなることで冷えが悪化しやすくなります。
そして室内のクーラーからくる冷えも加わって、お腹が冷えて大腸が急激に動くことで下痢を起こしやすくなります。
片や便秘は冬場の冷えによって、大腸の動きが鈍くなることが原因とされています。
頭痛、肩こり
身体が冷えることで血の巡りが悪くなることで、血が滞ることで肩こりや頭痛が起きる原因になります。
特にクーラーの効いたオフィスでデスクワークをしている女性の場合、午後になると頭痛や肩こり、ひどくなると吐き気を感じるほどの強い症状に悩まされている女性も実は多くいます。
なぜ午後に症状が出るのかというと、午前中はまだ冷えが進行していないのですが、時間が進むにつれて徐々に身体が芯まで冷えてしまうからです。
そして寒い時は猫背になったり、寒さで身体が固まることはありませんか?
その態勢をするだけでも肩こりになるので、冷えと肩こりは連動しているとも言えます。
むくみ
体内の水分が滞って排出できないことがむくみの原因なのですが、実は冷え性もむくみの発生と大きく関係しているのです。
むくみの水分はリンパ液や細胞周りの水分のことで、冷えによって血の巡りが悪くなるとこれらの水分が滞ることでむくみになるのです。
むくみと冷え性の原因自体もほぼ似通っているので、この二つが一緒に現れることが多いのも特徴です。
肌トラブル
意外なところでは、女性にとって大切なお肌にも冷えは悪い影響を及ぼします。
身体が冷えることで内臓機能の低下や、便秘や下痢などの腸内環境も乱れてしまいます。
それによって肌の細胞の生まれ変わり(ターンオーバー)が上手く作用しなくなるのです。
ターンオーバーが乱れると、にきび・しわ・たるみ・くすみといった、肌の老化現象に繋がってしまいます。
冷え性で起こり得る病気とは?
冷え性によって起こる自律神経の乱れや血行不良で、ただの不調から病気へと進行してしまう可能性があります。
冷えの度合いが異常に強かったり、冷え以外の症状が出た時は病気が隠れていることも。
そこで冷え性がきっかけになって起こる病気とは、どんなものなのでしょうか?
アレルギー性鼻炎
花粉やハウスダストなどがアレルゲンとなって起こるアレルギー性鼻炎。
冷えからくる自律神経の乱れや免疫力の低下により、アレルギー反応が起こりやすい状態に。
毎年花粉症に悩まされている方は男女問わず多いですが、そこには冷え性も大きく関係しているのです。
子宮内膜症
先にお伝えした通り、冷えによって卵巣機能の低下で、生理不順や生理痛が起こりやすくなります。
そこで生理痛があまりにも激しかったり、性交痛がある場合、子宮内膜症の可能性があります。
子宮内膜の組織が子宮の壁以外の場所に出来てしまう病気ですが、骨盤内に子宮内膜が癒着することで冷えが発生することも。
そうなると単なる冷え性とはまったく異なるので、必ず婦人科を受診するようにしてください。
生理痛があまりにもひどい場合、冷え性以外に月経困難症の可能性も考えられます。
膠原病
女性に起こりやすい病気で、自己免疫機能に異常が起こり、細胞同士をつなぐ結合組織に炎症が起こる病気の総称を膠原病(こうげんびょう)と呼びます。
体内に入った細菌やウイルスを排除する働きをする免疫が異常を起こすと、自分自身の身体を異物として認識し排除しようとするのです。
それによって関節痛、発熱、だるさなどが初期症状としてあらわれ、それが風邪と似ているので気付きにくいのも特徴。
この原因はまだわかっていない部分もあるのですが、冷えが大きなきっかけであることは間違いありません。
甲状腺機能低下症
甲状腺は首の前面にある内分泌腺で、新陳代謝を促すホルモンを分泌します。
- 甲状腺ホルモンが活動し続け、発汗、発熱、イライラなどが起きるバセドウ病
- 甲状腺ホルモンの分泌が減り、冷え、むくみ、便秘、だるさが起きる橋本病
甲状腺ホルモンが過剰になる、または分泌が減る、真逆な症状ですがどちらも原因は冷え性なのです。
冷え性があるのに汗が止まらなかったり、足などを指で押しても跡が残らないような弾力のあるむくみがある場合、甲状腺に異常がある可能性があります。
冷え性を改善する方法7選
冷え性は自分で出来るセルフケアを続けることで、冷え性から起きる症状の軽減が期待できます。
生活習慣の問題から冷え性が起きていることが多いので、生活習慣の見直しと、効果的な改善方法をご紹介します。
①食生活の改善
まずは食生活を改善することで、体内でたくさん熱を作り出して冷え性を改善しましょう。
そこで重要なことは、身体で熱を作るためには栄養素をバランスよく摂ること。
タンパク質・脂質・炭水化物の三大栄養素を分解する時に、ビタミン・ミネラルなどの酵素がなければ熱に変換できないのです。
タンパク質ばかりの食事や、野菜が少ない食生活をしている方は、当然熱が作れないので冷え性になるという結果になるのですね。
そしてバランスを意識すると共に、身体を温める・冷やす食べ物と飲み物を知り、身体を温める食べ物を積極的に摂るようにしましょう。
- そば、黒パン、黒砂糖、和菓子
- 牛肉(赤身)、鶏肉
- 味噌、醤油、納豆、チーズ
- あじ、いわし、あなご、うなぎ
えび、かに、いか、たこ - ごぼう、にんじん、レンコン、山芋
キャベツ、ニラ、ネギ類
にんにく、しょうが、ニラ - りんご、さくらんぼ、ぶどう、もも、栗
- ココア、紅茶
- 赤ワイン、黒ビール、日本酒
- 白パン、上白糖、洋菓子
- 脂身の多い肉、白身魚
- 酢、マヨネーズ
- きゅうり、トマト、なす、ゴーヤ、ほうれん草
レタス、もやし、タケノコ - バナナ、パイナップル、みかん、メロン、レモン
- 水、牛乳、緑茶、コーヒー
- 白ワイン、ビール
食べ物がこのように分類されるのは、理にかなっている以下の法則があるからです。
- 寒い場所で栽培されている物は身体を温め、暑い場所の物は身体を冷やす
- 食べ物の色が黒・赤・橙・黄の物は身体を温め、白・青・緑・紫の物は身体を冷やす
- 塩分のある物は身体を温め、すっぱい物は身体を冷やす
- 味噌、醤油、納豆など、発酵している物は身体を温める
産地の気候に合わせて実る作物は、その土地の気候に合った性質を持っているということがわかりますね。
食べ物や飲み物を選ぶ時に、どんな気候の産地で作られているかを思い出してみると選別が出来るようになりますよ。
夏場の冷えに効果的な食事
身体を冷やす効果がある夏野菜は、加熱することで身体を冷やさない食べ物へと変わります。
それをカレーと一緒に食べると、夏の冷え性にはとても効果的です。
カレーに含まれるスパイスなどの刺激物は、身体を温める・代謝を上げる・食欲増進の効果があり、夏バテにもいいですよ。
そして毎日ほぼ外食、という忙しい女性の方は、外食で冷え性に効果的なメニューを選ぶことも効果的です。
- 【和食】温かいそば、うなぎ、豚肉の生姜焼き、エビと野菜の天ぷらなど
- 【中華料理】回鍋肉、酸辣湯、牛肉を使った炒め物など
- 【韓国料理】キムチチゲ、サムゲタンなど
身体を温める食べ物が使用されていて、基本的に温かい状態で食べるメニューを選べば間違いなし!
夏場は冷やし中華などが恋しくなってしまいますが、温かいスープをプラスするなどして冷え過ぎを防止しましょう。
冬場の冷えに効果的な食事
冬場の冷えには鍋料理を多く取ると、身体の芯まで温まるので特におすすめです。
温まることに加えて作るのが簡単なので、あまり自炊しない女性でも取り入れやすいですよね。
食材に身体を冷やす食べ物を入れてたとしても、基本的に火を通すので身体を温める物に変身します。
ご自分の好きな具材を気にせず使い、冬の旬の野菜で作った鍋は寒い日にはピッタリですよね。
そして特におすすめなのは、鍋ものにショウガを一緒に入れて煮ると、ショウガのエキスが染み出して、身体が芯からぽかぽかと温かくなります。
もちろん切ったりおろしたりして入れてもいいのですが、皮つきの塊のショウガを鍋にポンと入れて煮るという方法もあります。
切らないで入れるので味と香りの影響が少ないながらも、ショウガの身体を温める効果はしっかり実感できるのです。
ショウガの味が苦手な方やショウガの味が鍋の味付けに合わない、そんな時はこの方法を試してみてくださいね。
※鍋に入れるショウガの量の目安は、2人前で約30グラム程度
冷えに即効性のある飲み物
「寒い!今すぐ身体を温めたい!」
そんな時は飲み物で身体に熱を直接取り込むのが効果的。
飲み物にも身体を温める食材を入れると、効果が倍増するのでおすすめです。
そこで冷えに即効性がある、温かい飲み物をご紹介します。
・ショウガ紅茶
紅茶にショウガ汁を入れる、甘みが欲しい時は黒砂糖が良い
・ジンジャー甘酒
甘酒にショウガ汁、はちみつか黒砂糖を入れて煮込む
・黒糖ショウガの煎じ汁
鍋に水を700ml入れ、ショウガを5かけ、黒砂糖を20グラム入れて15分くらい煮出す
冷え性にショウガが大活躍なのは、それだけ効果が高い理由なのですね。
そして身体を温める効果のある、紅茶と黒砂糖を使うことがこのレシピのポイント。
特にショウガ紅茶で辛い冷え性が改善された!という女性もいるので是非試してみて欲しいです。
②運動で筋肉量を増やす
食べることももちろん大切ですが、食べるばかりで運動をしなければ、熱を体内に配れません。
そのためには運動をして筋肉量を増やし、基礎代謝を上げて熱をたくさん生み出す身体へ変身させましょう。
基礎代謝を上げることで立つ、座るといった日常動作でも身体が温まるようになれるのです。
そして体内で作られた熱は血液と共に全身を巡るため、筋肉をポンプのように動かす運動が効果的です。
そこで部位別の冷えに対応した、筋肉ポンプ運動をご紹介します。
全身の冷えにはスクワット
下半身とふくらはぎの筋肉を刺激することで、血液と熱が心臓に向かうので全身が温まります。
①腕をまっすぐ伸ばすと
上半身も同時に温まる
②背中は丸めないようにする
③太ももが床と平行になるように
まっすぐ腰を落とす
④両足は肩幅に開いて
つま先を膝から前に出さない
これを5~10回繰り返しましょう
上半身の冷えにはバンザイストレッチ
バンザイをすると肩甲骨がしっかりと動くため、肩から手先への血行が良くなります。
①背筋をまっすぐ伸ばして立つ
②腕の位置は耳の後ろまでくるようにする
③ゆっくりバンザイしてから
ゆっくり腕を降ろす
5~10回繰り返しましょう
※冷えだけでなく肩こり・頭痛にも効果的
足先の冷えにはかかと上げストレッチ
第二の心臓といわれるふくらはぎの筋肉。
足先が特に冷える場合は、ふくらはぎの筋肉を刺激するストレッチが最適です。
まず肩幅に足を開き、かかとを上げてつま先で立ち
かかとを降ろす動きを、10回ほど繰り返しましょう。
時間と場所を選ばない、簡単に出来るストレッチなので、
通勤中や家事の最中などの、ながらストレッチがおすすめ
③冷え性に効果的な入浴法
冷え性の女性にとって入浴はとても重要で、体質を改善するチャンスです。
ただ湯舟に浸かればいいのではなく、冷え性ならではの効果的な入浴法があるのです。
・冷え性に効果のあるアロマオイルを、1~3滴入れてアロマバスにする
香りのパワーでリラックス効果で自律神経も整えられる効果アリ
ローズマリー・ジンジャー・レモン・もみの木が特におすすめ
・夏に湯舟に浸かるのが暑い場合は、ミントオイル(はっか)を入れると良い
清涼感があるので入浴後にクーラー要らずで、夏冷えを防止
※ただし入れ過ぎると刺激が強いので要注意!
・入浴後に足が冷えて眠れなくなる場合は、寝る前にツボを刺激する
特に冷え性に効くツボの『湧泉(ゆうせん)』を刺激する
もしくは市販の足つぼを刺激するアイテムや、ゴルフボールを足裏で転がすのも効果的
※湧泉とは…足裏の第二指の付け根から、足裏の1/3下にあるへこみ
④服装で冷え対策
夏場はさすがに薄着をしないと暑くてやってられませんよね?
ですが薄手のシャツやワンピース一枚だけでは、クーラーの冷えをダイレクトに受けてしまいます。
そんな時は薄手のインナーを一枚加えることで、身体の中心部のお腹を温めると身体全体の冷え対策に有効です。
素材は汗を良く吸って乾きやすい素材や、天然繊維のシルクが冷え対策に特に向いているのでおすすめ。
なぜお腹を温めるかというと、お腹が冷えると自律神経が中心部の熱を守るため、手足など他の部位からお腹に熱を集めるという働きがあります。
無関係に思っていた手足の冷えは、実はお腹の冷えによって起きているのですね。
冬場の場合も同じく、インナーや腹巻きでお腹を温めるようにすることが大切です。
注意して欲しいのは足が冷たいからと、靴下を履くのは締め付けによって血行が悪くなるので冷えが解消されないのです。
就寝時の足元はなるべく締め付けないレッグウォーマーで、ふくらはぎを温めることも効果的です。
⑤サプリで栄養素を補う
冷え性に効果的な食べ物をご紹介しましたが、1日に必要な栄養素をバランスよく、食事から摂るのは意外と難しいですよね?
そこで不足している栄養素や食事では取りにくい栄養素は、サプリメントで補うようにしましょう。
サプリメントの上手に利用する方法を守ることで、効果を最大限に引き出すことが期待できます。
- 1~3か月は続けてみる
- 2~3回に分けて、食後に水で飲む
- 種類を増やす時は必ず1種類ずつ
(身体に合わなかった時に原因が掴みやすいため) - 止める時は徐々に回数を減らす
(急に止めると欠乏症になる可能性があるため) - 現在治療中の場合は医師に相談する
冷え性改善のためには、体内で熱を作るためのプロテイン(タンパク質)は必須。
そして熱を体内に配る重要な役目を持つ、ミネラルやビタミン類も併せて必要な栄養素です。
ですが栄養素は食事で摂るのが身体には一番良いので、基本であるタンパク質とビタミン・ミネラル類はなるべく食事で摂るようにしましょう。
そこで不足していたり食事で摂りにくい栄養素は、冷え性以外にどのような症状があるかどうかで選ぶのがいい方法です。
冷え性以外の不調 | 栄養素 |
食欲がない・ストレスが多い むくみやすい・甘い物好き |
ビタミンB群 |
貧血ぎみ・筋肉が少ない 低血圧・むくみやすい |
プロテイン(タンパク質) |
胃腸が弱い・低血圧 血ぎみ・疲れやすい |
高麗人参、鉄分 |
胃腸が弱い | 乳酸菌 |
顔色が悪い・クマができやすい 生理不順・PMSがある |
ビタミンE |
肌が荒れる・ホルモンバランスが悪い 生理不順・体力がない |
ローヤルゼリー |
顔色が悪い・特に手足などの末端が冷える | イチョウ葉 |
代謝が悪い・疲れやすい 太りやすい・顔色が悪い |
コエンザイムQ10 |
むくみやすい | メリロート |
サプリメント補助食品なので依存し過ぎないように、あくまでも食事がメインに据えておくことが大切です。
⑥漢方薬で体質改善
冷え性の治療に最も効果が期待できるのが漢方薬です。
冷えは東洋医学では「気・血・水(き・けつ・すい)」のバランスが崩れて、血の巡りが悪くなることが原因と考えられています。
気は生命活動エネルギー、血は血液とその働き、水は血液以外の体液を指し、これらすべてが身体を滞りなく巡っていることが健康の大前提とされています。
漢方薬によって3つの要素のバランスを整えることで、冷え性体質の改善に繋がるのです。
そこで効果が期待できる漢方薬を冷え性の原因ごとに分類してご紹介します。
血の巡りの悪さが原因の冷え性 | 薬名 |
下半身の冷え・生理痛 下腹部痛・頭痛・腰痛 |
当帰四逆加呉茱萸生姜湯 (とうきしぎゃくかごしゅようきょうとう) |
虚弱体質・手足の冷え 生理痛・生理不順・だるさ |
当帰芍薬散 (とうきしゃくやくさん) |
手足の冷え・だるさ ほてり・更年期の症状 |
八味地黄丸 (はちみじおうがん) |
虚弱体質・イライラ 不安感・めまい・不眠 |
加味逍遥散 (かみしょうようさん) |
のぼせ・肩こり 生理不順・子宮内膜症 |
桂枝茯苓丸 (けいしぶくりょうがん) |
むくみを伴う冷え性 | 薬名 |
むくみが強い・口が乾く 尿の量が少ない |
五苓散 (ごれいさん) |
下半身のむくみがひどい むくみによる下半身の関節痛 |
防已黄耆湯 (ぼういおうぎとう) |
全体的に冷える・虚弱体質 胃腸が弱い・めまいやふらつき |
真武湯 (しんぶとう) |
胃腸が弱くエネルギー不足による冷え性 | 薬名 |
すぐにお腹を壊す・食欲がない 疲労による微熱 |
補中益気湯 (ほちゅうえっきとう) |
みぞおちにつかえる感覚・食欲がない 栄養不足で貧血ぎみ |
六君子湯 (りっくんしとう) |
虚弱体質・体力の低下・胃もたれ | 人参湯 (にんじんとう) |
病後や術後の体力低下・栄養不足や貧血 慢性的な微熱や悪寒 |
人参養栄湯 (にんじんようえいとう) |
ぽっちゃり体形の冷え性 | 薬名 |
代謝が悪い・皮下脂肪が多い 便秘・のぼせ |
防風通聖散 (ぼうふうつうしょうさん) |
下半身は冷えて上半身はのぼせる 腰痛・生理不順・生理痛 |
五積散 (ごしゃくさん) |
のぼせ・便秘・頭痛・生理不順・不安感 | 桃核承気湯 (とうかくじょうきとう) |
ストレスが原因の冷え性 | 漢方薬名 |
神経質で気にしやすい・心身共に疲れやすい | 半夏厚朴湯 (はんげこうぼくとう) |
情緒不安定・PMSのイライラ ストレスからくる不眠 |
抑肝散 (よくかんさん) |
冷え性に効果が期待できる漢方薬はこれだけの種類があるなんて驚きますよね。
それだけ漢方薬は冷え性の改善に向いている証拠なんですね。
挙げた漢方薬の中には市販されているものも存在しますが、個人の体質と症状に合わせた漢方薬を処方してもらうことが最も効果的。
漢方薬の専門医や薬剤師さんに相談してから、漢方薬を始めるようにしてください。
⑦改善法を試しても冷えが解消しない場合
上記に挙げた冷え性改善法を日常生活に取り入れれば、即効性はないにしろ症状は次第に改善するはずです。
ですがそれでも冷え性が改善しない、冷え性と同時に、食欲不振・全身のだるさ・不眠という症状が続いている場合、大きなストレスを抱えている可能性があります。
体温調節をする自律神経はストレスの影響を受けるので、ストレスによって交感神経が優位の状態が続ます。
その結果、手足の冷えに加えて体内の熱が配られなくなり、冷え性がなかなか改善されない結果に。
日常生活を振り返って自分のストレスの原因がどこにあるのかを見極め、問題点はできるだけ取り除くようにしましょう。
ですが環境はそう簡単には変えられないので、自分自身の思考パターンを
『悲観的・完璧主義 → 楽観的・適度に頑張る』
というように、自分をラクにすれば心も身体も健康になっていくはずです。
そして冷え性の原因が仮面うつという場合も考えられます。
仮面うつとは、ストレスによって冷え性・頭痛・腹痛という症状だけが表に出て、心の問題は裏に隠れてしまう症状です。
この場合は心療内科によるカウンセリング、抗うつ薬による治療が必要になります。
まとめ
いかがでしたか?
「冷え性は万病のもと」と言われるほど、身体にとっては良くないものです。
ですが冷え性は身体を冷やさない対策や改善をやっていくと、徐々に症状が改善していくものです。
紹介した改善方法の中で無理なくやれるものを選んで、まずは2週間くらい続けてみて下さい。
そうすることで普段の生活で冷えを意識するようになり、健康的な生活を送れるようになりますよ。
辛い冷えの症状に悩まされている女性の、お役に立てれば嬉しく思います。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。